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ミステリー小説、書く!!!

ミステリー小説です。 毎週1回のペースで更新しますので、良かったら読んで感想をください。

スキマ時間にはビジネス書を「聴く」。オーディオブックのFeBe

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「不和の美」ー12

12

 筒井美咲の運転する軽自動車は、まっすぐに隣町の警察署へと向かった。

 またしても真田春也と古川栄太郎は警察署へ舞い戻ることになった。

 その車中、不意に若い探偵は図々しい口調で、平然と悪びれる様子もなく運転中の筒井美咲へ問いかけた。

「美咲さんはおいくつなんですか?」

 ガソリンスタンドの前の信号機でシルバーの車は停車したが、あまりに唐突な質問のせいか、ブレーキが多少、急になり後部座席の2人の身体が前のめりになった。

「失礼じゃないか、女性に対してそういった質問は」

 明白に不機嫌さを顔に表す初老の弁護士。

「いいえ、良いんですよ古川さん。若いって素直でいいわね」

 そう言うとニコニコと香る笑みをたたえ、バックミラーで探偵を見つめて、彼女は赤い唇で囁く。

「36歳、もうすぐ37ですけど」

 と車内に不思議と甘い香りが漂ったのを探偵の鼻腔は感じ取り、思わずドキッとしてしまった。

 古川ももちろん、本能をすでに握られていた。

「ご結婚は?」

 またしても探偵は素直すぎる口調で問いかけた。

「いい加減にしないか!」

 怒った口調は弁護士である。

「この歳までご縁に恵まれなくて。貴方が引き取ってくださる?」

 明白な冗談だったが、探偵は待たしても胸が苦しくなるほどの色気に、横の弁護士の如く何かを掴まれた気分にさせられた。

 と、丁度その時、車は報道陣で賑わう警察署の駐車場へと入っていった。

 この時、入り口から誰かが出てきていたらしく、蟻が砂糖に群がるように、多くのカメラのシャッターフラッシュがたかれ、人の囲いができていた。
 
 その群れが方向をジグザグに変えながら車の方へ近づいてきた。

 すると筒井美咲は素早く助手席のドアのロックを開けると、間髪を入れずにドアが開き人影がもみくちゃにされながら滑り込んできた。

 そこからの筒井美咲の運転テクニックは素早かった。即座に後方を確認するとバックで車道へ出ると、そのまま隣町へ通じる車道をひた走ったのであった。

 弁護士は助手席に滑り込んだ、髪が乱れ明白にやつれた男の顔を見るなり、驚きの声色を発した。

「昭雄君!」

 警察署から出てきたのは、殺害された被害者の一人息子、荒木昭雄であった。

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プロフィール

HN:
富士島
年齢:
39
性別:
男性
誕生日:
1986/01/06
職業:
介護職
趣味:
小説、漫画、映画、PC、スマホ

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