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ミステリー小説、書く!!!

ミステリー小説です。 毎週1回のペースで更新しますので、良かったら読んで感想をください。

スキマ時間にはビジネス書を「聴く」。オーディオブックのFeBe

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「不和の美ー21」

21

 真田春也は収穫に心躍らせる一方、もう1つ、確かめなければならないことがこの事件にある、と同じ隣町のアパートへ向かった。

 事件が起こった田舎の町よりは少し栄えてはいるものの、駅は平屋のようなたたずまいで、そこからまっすぐに伸びる商店街も今はシャッターが閉まっている店の方が多かった。

 飲み屋が建ち並ぶ細い路地を抜け、メインの通りと言えるその商店街へ出て、駅とは真逆に進み、商店街の外れの小道を入ったところに、小さいアパートがある。そこが彼の目的の場所であった。

 階段を上り2階の端の部屋の前に彼は立った。今時みない木目の扉は、鍵を直接さしてドアノブをひねるタイプだ。

 インターホンはついているらしく、押してみると、部屋の中でポンポーンとレトロな音が響いた。

 すぐに人の気配が玄関へ向かってくるのが分かった。

 扉が開き、男が顔を出す。筒井美咲の居酒屋で見た佐藤誠である。

 最初、客人だと思い笑みで対応した佐藤誠であるが、真田春也の顔を見た瞬間、表情は凍り、すぐに薄い扉を閉めようと、ドアノブを内側へ引いた。

 春也はそこへ体をねじ込む形で扉の開閉を邪魔した。

 当然のことながら春也の体は扉に挟まり、胸と背中に鈍痛が走る。

「うっ」

 息が詰まった探偵の声に、思わずドアノブから手を離す誠は、胸を撫でる探偵の顔を心配そうにのぞき込んだ。

 これに対する探偵の言葉は、もちろん事件に対する物でしかなかった。

「筒井美咲さん、荒木義男氏について、聞きたいことがあります」

 事件の為、自らの解決への欲求を満たす為、春也はその体を喜んで犠牲にする。

 お世辞にも広く綺麗とは言えない男1人の暮らしは、質素で生活感が大きかった。

 台所のゴミ袋に詰め込まれたカップ麵の器。洗濯機の前に山になった洗濯物。部屋の中心にあるコタツの上にはビールの空き缶が並び、食べかけのピーナッツや食べこぼしの後が見えた。

 この男は仕事以外は飲食をするのみなのはすぐに観察すれば分かった。

 部屋の中に入ると埃を軽く被った座布団を手で払い、誠は狭い部屋の床の上に座布団を差し出した。

 春也はそれに座るなりお茶を入れようとする男を引き留めた。

「聞きたいことを聞いたらすぐに帰りますから、お茶はけっこう。それよりも聞かせてください」

 と前置きもなにもなく探偵は質問を直球で投げつけた。

「町の噂は知っています。貴方が筒井美咲さんを慕っている。そして付き合う事を荒木氏に懇願したが断られた。この噂は事実ですか?」

 居酒屋で伊美徹の建設会社の女性従業員が話していたのを探偵はしっかりと覚えていた。その他にも小さい田舎の町では、殺人事件などという大きな出来事が起これば、自然と噂は耳に入ってくるものだ。例えそれが探偵のように外部の人間の耳でもだ。

 佐藤誠は少し間を置いた。自分の中でこれまでの行動をしっかり整理しようとしていたのだろう。春也が見ても何かを必死に考えているのは分かった。

 そして結ばれた薄い唇を男は開いた。

「ええ。事実です」

 これに矢継ぎ早に探偵は質問をかぶせた。

「犯行時間のアリバイを聞かせてください」

 犯人である可能性がある以上、彼の興味はだんぜん大きくなる。

 佐藤誠は少しまた考えてからだ口を開く。

「出勤前の時間ですから朝食をとって、身支度をしていました。これは警察の人にも話しました。丁度あの日は隣人の奥さんが朝早くにアパートの会報を届けにきたので、顔は合わせていますからアリバイは間違いありません」

 また1つ、収穫した春也は、少し興奮を溜息で抑えるように呼吸した。そして個人的な疑問を口にした。

「荒木氏と美咲さんのことについてもめたという噂も事実だと?」

 アリバイが立証されているのだから、探偵の仕事は終わりだ。だが探偵にとって恨みによる犯行を省くことはできなかった。動機がある人物は疑わずにはいられなかったのだ。

「本当です。俺は美咲さんと付き合うことを荒木さんに認めてもらおうと、家に行ったんです。難しい人物なのは承知していました。ですが最初はあってさえもらえず。何度も訪ねたんです。そしてようやく会ってもらえたのですが、あっさりと玉砕でした。俺の本気の気持ちを伝えたんですけどね」

 そういうと恥ずかしげに男は微笑んだ。50代も見えてきた男にしては、思春期のような笑みであった。

 
 そうした恋模様に一切の興味を持たない探偵の興味は、もっぱら事件の事柄だけだ。

「愛する人との付き合いを反対され、殺意を抱いた?」

 笑みがすぐに困った硬直した表情へと変化する佐藤誠。

「ち、違います。逆です」

「逆?」 

「俺が美咲さんのことを好きなのは分かった。だが今のお前は養えるのか。男は女を守らないといかん。それがお前にできるのかって。正直、胸を張って守れますっては言えませんでした。だから自分の甘さを知ったというかなんというか。本当に情けない男ですよ」

 佐藤誠はハニカンでいたのだが、探偵にはなるほど、納得した。

 この男に人を殺すことはできない。今の話と表情で探偵は確信を得た。

 だが最後の質問は避けることはできなかった。

「佐藤さんは織部焼きというのをご存知ですか?」

 不思議そうに顔を上げ、訝しく探偵へ逆に男は質問した。

「なにかのお菓子ですか?」

 まったく知らない様子なのはそこ言葉で理解できた。

 その時、上着の内ポケットに入れていたスマホが唸るようにバイブレーションで電話だと探偵に伝えた。

 素早くとって画面をみると、それが古川英太郎弁護士からだった。

「古川さん、どうしました?」

 脳天気な声で答えた春也とは裏腹に、弁護士の声は、緊迫していた。

「君は何をしてるんだ!」

 なんのことなのかわからず、キョトンとしていると、彼の行動が起こした余波を弁護士は伝えた。

「怪しい男が事件について聞きまわってるって警察に通報があったそうだ。今、三田警部がやってきてすごい剣幕だ。すぐに帰ってきたまえ」

 これに飄々も探偵は答えた。

「分かりました。ただもう一ヶ所よるところがあるので、少し遅れます。それと、三田警部と一緒に美咲さんの店で待っていてください。それではあとで」

 と、一方的にスマホを切ると、佐藤誠の部屋を出ようと彼は立ち上がった。

「あ、あの。美咲さんになにかあったんですか?」

 恋する女を心配そうにしている男。

 それに向かい、無表情で探偵は言った。

「真実が万人にとって幸福な結末をもたらすとは限らない。それだけは覚えておいてください」

 そして探偵は最後の仕上げに向かうのだった。

第22回へ続く

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プロフィール

HN:
富士島
年齢:
39
性別:
男性
誕生日:
1986/01/06
職業:
介護職
趣味:
小説、漫画、映画、PC、スマホ

P R